2022年度
ディープテック起業実践演習(院生向け・Aセメスター)
人生の転換点となった講座
- 本講義を通じて、事業案はまだまだのところがありますが、起業に対する解像度がとても上がりました。何より、人生を通じてやりたいことを見つけられた気がします。ありがとうございました。
- 本授業ではアウトプットを通して「人生を通してやりたいこと」を探せたことで、自己理解に繋がった。また、やりたいことを社会に実装するためのハードルや重要な点を理解すると共に、今後起業を志す際に必要なマインドや計画を学ぶことができた。
- こんなにも刺激的な授業は初めてだった。自身の研究からして受講には覚悟が必要だったが、一歩踏み出して本当に良かった。
- 自分自身の将来のキャリアを通して、もっと夢を追ってみたいなと思えるようになった。
- はじめは自分の研究への理解の浅さや(今年から本格的に関わりはじめたテーマなので), 本当に実用化できるのか?といった不安から自信が持てなかった. 最終発表を終えたことで, これから自分達がやっていくんだ!という気概を少しだけ持てるようになった気がする.
- たまたまこの講座を見つけなければ、ただ学位をとり、論文の数を稼ぐだけの研究室のPIになるしか道がなかったと思うので、運営の皆様には感謝しております。いつかはアクションを起こそうと思っていましたが、早いうちに意識を変えることができ、目標が定まってよかったです。
- 自身の専門分野では当然だと思っていたことが、他分野の学生さんからみるととても新しい面白いこととして映ったことが学びであった。見方を変えるとこんな発見になるのかと勉強になったとともに、自分1人では複数の視点を持つのにはかなりの限界があるので、いろいろな人とおしゃべりをすることの大切さを感じた。また、ビジネスは私が思っていた以上に科学的手法を採用していたことを知れたことも学びだった。PDCAサイクルはもちろん、ビジネスは仮説検証型の考えを発展させることで成果を上げていくことであると知れ、これは私のラボ内での研究活動へフィードバックにもつながった。
- もしバイオ系で起業することになればAMEDなど公的機関から支援を受けることが想定されるが、私は「いい事業案に対しては公的機関は評価してくれるはず、ちゃんと審査してくれ」というような受け身のスタンスでいた。そんな中「省庁が全てをわかっているわけではないから、積極的にみなさんから我々に意見をしてくれ」という官の方の言葉が印象に残っている。公的機関に対しても能動的に働きかけなければならないのだと実感した。
- 本講義を通じて、具体的にアントレプレナーシップ教育を深く考えることになったのは私自身のアカデミアキャリアに繋がる素晴らしい経験でした。ありがとうございました。
- 生命科学という分野である以上研究のビジネス化に関してよく思わない先生方が多くいるのもまた事実で、これからそういった風潮を変えていくことのできる人材になれたらと思います。
- 自分はドローン分野で起業することを目的として東大院に入ってきたのでまさに自分に必要な授業だったと感じています.
- 本講義は、一部の学生にとっては人生を変えるような内容なので、来季はぜひ優秀な研究室をヘッドバンドしてほしい。工学系化学は、起業できるが起業してない(産業課題とマッチングできてない)研究室で溢れている印象。
- 複数回起業し失敗から学んできた私が感じたのは学生時代にこうした情報に触れれば、私自身ももっと早くに事業拡大できただろうと思い、この授業が提供している環境についてはとても満足しています。
仲間との出会い
- 他のプロジェクトとも繋がる経験ができて、このような素晴らしい人たちと出会える場を提供いただいて大変有意義でした。このような、自分も課題に感じるものが、実際に目の前で始まって未来を変える種になるのは人生で一生ないレベルの幸運だと感じます
- 本気で自分達の技術をビジネスとして応用していきたいという強い意志を持った人たちに出会うことができ,刺激を受けたところが、自身
の成⻑を一番感じた - 研究や社会の課題解決に熱い思いを持ち、視野が広くいつも面白いことを考えている受講生各位にとても刺激を受けました。
- 知識も熱意も他の受講生と比較してなかったのですが、「自分が人生かけられないような案にFBの時間なんて使いたくない」という受講生の言葉に発奮し、なんとしてでも彼を納得させるような案を作ってやると本気になったのがきっかけで熱が入り始めたと思います。本気で研究で結果を出そうとしていたり事業で成功したいと考えたり実践したりしている人と交流することによって、より高い目標を目指して自分を鍛錬したいと考えるようになりました。
- この授業を通して様々な人と出会い、仲良くなることができ、とても価値のある人脈をつくることができました。感謝しております。
事業化について
- 財務的なことは全く考えておらず、ひたすら目の前の技術を先に先にと進めてきましたが、起業家以外の支援者の方と話すには財務が当然基本となり、その部分を参加者運営者から叩いていただき、大変勉強になりました、自分の至らない点が見えてありがたかったです。
- 考え方がシンプルになった。(中略)結局は「誰のどのような課題をいくらで解決するか」から、下ろして考えていけばいいと気づいた。
- 悩んだ点としては,マネタイズの部分である.まだ研究段階の技術をいかにサービスとして昇華させて顧客のニーズに合うものにするか,
その点が非常に難しかった.いくら素晴らしい技術でも顧客がいなければビジネスとして成り立たないということを実感した. - ディープテックスタートアップが持つ考え方の起点や、陥りがちな弱点などがある程度把握できてきたように感じる。それは技術が起点にあるからこその難しさや、それでもなおニーズをしっかりと把握しなければならず、シーズよがりになってしまってはならないことなどを、“自分の体験“として知ることができた。
- ハイライトは自分たちのチームのピッチ回で、「コストストラクチャーが欠けている」という指摘を受け、ディープテックの事業であっても、ビジネスとして成立させるためには、技術や製品性能の優位性だけでなく「早い、安い、うまい」のような感覚が必要であることを認識した。(中略)今回の講義と私の取り組みを振り返って、どんなに崇高な技術も売れて、普及しなければ社会に対しての意義は薄いことを再認識した。普段の研究段階からこのようなことを意識して、いかに社会にアウトプットを出すかを真剣に考えたい。
関係者に向けて
- ビジネスの最前線で活躍されている講師陣と交流できたことが何より貴重でした。大学生は、いい大人か悪い大人の区別がつかないので誰の意見を聞くべきか迷うことが多いので助かりました。ロールモデルにもなりました。
- 講師陣からのFBが率直であったところがよかった。自身のピッチ回でなくても、投資家目線・経営目線での技術の見つめ方を知ることができ、勉強になった。
- 投資家や,実際に資金調達を成功させた起業家など,ディープテック起業に関して見識のある方々の生の声が聞けた点が良かった.
- 授業のハイライトとしては、特に福武ホールでのスタートアップ企業のピッチに感動しました。実際のスライドや投資家、企業とのやりとりは現実感があってモチベーションにつながりました。また、特許についての講義やMITの技術ロードマッピングなどの他の講義も色々あってとても学びが深まる機会が多かったように思います。
- 運営の皆さんの熱量がすごく、そのおかげでこちらも本気度が高まった。
- とてもよく作り込まれた講義で、聴講でもとても楽しめました。本当にありがとうございました。
- これまで受講してきたどの授業よりもサポートが手厚かった。ありがとうございました。
来期以降の受講生に向けたアドバイス
- 本授業にコミットし、自らの事業案を熱意をもって語れる素質が必要に思います。 また、場合によっては授業外にも相当な時間を割く必要がありますが、それ以上に成長できる環境が用意されているため、ぜひ全力で取り組んでください。
- 一次情報を自分で調べに行く姿勢はこの時代であっても重要なので、積極的にFWにいくべきだと思います。
- チームを組むことの重要性(チームメンバーがいると、それぞれの好きや得意をいかして、進めていくことができます)、FB機会は可能な限り受ける(授業内のみならず、授業外でも様々な方にピッチを聞いていただきコメントをいただきました。考えが不十分な点に気づかせていただいたり、考えもしなかった筋道を教えていただいたりし、事業案を練り上げていくためのたくさんのヒントをいただきました。短期間で事業案を練り上げていくためには、積極的に様々な有識者の方にFBをいただくことが必須だと感じました。)
- 技術がない学生も強い思いがあればこの授業を最大限活用すべき。こんなに良い自己分析は無いと考える。
- インプットが足りなくなりがちで、早めにエリックリースの「リーン・スタートアップ」などの一読をお勧めする。受講仲間から借りて読み、講義でのアウトプットの機会をより有効活用できるようになった
- まず自分がこの授業で成し遂げたいことを明確化するべき。それによって、解きたい課題を設定してブレイクダウン→論点の絞り出し、をするか、自分の技術の特徴からくる仮説の洗い出し→解ける課題を選定をするか変わってくる。ここまでをなるべく早い段階(開始2週間等)に終わらせて、洗い出した仮説を必要に応じてヒアリング→事業案作成orピボットのサイクルを繰り返す。 ただでさえ、学生の事業仮説の筋の良さなどたかが知れているので、授業期間中に良いアウトプットを出すためにはそのサイクルをできるだけ早めるのが重要。
- スタートアップ系のVCとかスタッフの皆さんは「意識高い系」といって馴染みにくいと思うが,一度飛び込んでやってみる経験もいいかなと思う.今後絶対に付き合っていくことになるだろう.研究発表だけじゃない発表を知って,工夫してやってみる経験は今後生きると思う.
- とにかくフィールドワークを多く行うことで事業案内での悩みが解決することが多い.また学生起業すると学べないビジネスマナーを学生身分で直接学べるので起業しなくても役立つことしかないと思います.30~60min程度のヒアリングであれば,ネットでメールの書き方調べて送ってみると大人は面白がってアポ取れることが多い印象です(運営のチェックも受けられます).
- 聞くだけでもためになるし、いろんな人と話してみたほうがいいと思います。
- ビジネスプランやスタートアップについてもっと時間に調査すれば事業案の立ち上げをもっと早くできるはずです。 フィールドワークはTAや運営の方に相談すればたくさんサポートいただけますので、迅速に行動したらもっとたくさんフィールドワーク実行できると思います。 VCの方々や、企業の方々と気軽に壁打ち設定してください。そうすれば事業案をより具体かつ実現可能なものにできます。
- 今期、工学系化学を専攻する学生はほとんどいなかったが、この分野の学生は事業化できるテーマ、専門知識を十分に持っているので、自信をもって講義に飛び込んで欲しい。
- FWに行きまくること。懇親会に積極的に参加して、受講生同士で相談できる間柄になること。
- 実現可能性を重視しすぎると、小さくまとまって、わくわくするようなアイデアが死んでしまうので、多少無理をしてでも実現したいプランを考えてください。
- 講義を通してどの時期が比較的時間があって、どの時期にどんな知識が必要になって、なので逆算してどんなことを自習としていつやるといいのか、みたいな話。 個人的には、①事業の数値化に関して、11月以前に簡単なところだけでも頭に入れておいて、可能であれば実際の会社の数値などを見てみること(IRとか)、②チームビルディングや前向きでないFBを伝える際のノウハウは多少なりとも頭に入れといて損はないと思う。
- 受講生含め様々な人が相談に乗ってくれるので、自分も最後まで続けることができ、人生の意識を変える大きなきっかけとなりました。 特に基礎研究を行なっている方々は、何かできることはないかと考える良い機会だと思います。考えた上で、自分は時期尚早だと思ったので、そのターンが来た時のための練習だと思ってこの授業を受け、大変刺激になり、研究以外にも活きています。
- 積極的に自分の技術を事業化したい学生とチームを組むこと。
- この演習では事業案作成やそのプレゼンをしますが、それには相当な時間と労力が求められます。
- 豊富な機会が与えられる授業なので、自分が何を目的にこの講義に参加をしているか明確にして、取捨選択するのが大切だと思います。 また初めの交流会はなるべく参加した方がその後の授業がスムーズに進むと思います。特に運営の個別サポートが助かりました。
- 聴講する学生にアドバイスするなら、対面で来ることと、前後の交流の参加や、timesを作るなどして、積極的に履修している人と同じ温度感で参加することです。どうしても聴講だと遠慮がちになってしまったり引け目を感じたり、当事者意識を失いがちになるので、授業にはなるべく履修している人と変わらない姿勢でコミットすると楽しめるだろうし、自分自身ももっと楽しめる余地はあったのだろうと反省しているので、来期以降の方はぜひやってみてほしいと思います。
- リアルな投資家や起業家などにピッチができるのが素晴らしい授業ですので、ピッチが適切に用意できるように現在のようなサポートがあれば素晴らしいと思います。
- 時間はこの講義に結構割くつもりで臨んだ方が良いと思う
- 積極的にたくさんの人と密な議論を交わすこと。そのネットワークがやがて自分の力になると思います。
- まずもし、自分と同じように本来授業の対象でなく、聴講か受講(フル聴講)かで迷う学生がいたのならば、ぜひ躊躇わず受講を決断してみてほしい。ただ聴講として話を聞くだけでも学べることは非常に多いが、実際のその当事者となり、試行錯誤する経験があった状態で話を聞くことは、言われたこと以外の選択肢や、考え方の変遷を可視化することにつながり、学びの量が飛躍的に増えることが期待できるはずだ。 また、プロジェクトを進めて行く上でのアドバイスとしては、“自分が感じた違和感を放置しないこと“を挙げたい。往々にして、プロジェクトを進めて行く中で、自分のプロジェクトに関して疑問点や違和感が出ることがある。その問題を放置してしまえば、それは自分の中で弱いポイントを残すことになり、またそれは時間を経るうちに放置できない問題となることもある。自分の中で違和感なく説明できるレベルまで自分おプロジェクトに関する解像度を上げることが必要だと考えている。 また、授業の中でアドバイスを求めるシーンが多くあるが、その際に自分の仮説を持っておくことが非常に大切に思える。“どうすればいいと思いますか“と聞いても、アドバイスをする側も事業の詳細を把握しているわけではなく、大抵の場合返答はjust ideaで終わってしまうような印象を受けた。だが、質問の際に仮説を持って、“このような理由で、こう言った形で進めたいと考えております。“と、その仮説をぶつけることができれば、その仮説の問題点が具体化され、次につながるアドバイス、ディスカッションにつながると感じる。
- チームビルディング時の意思統一が重要だと思います。講義内でも言われていたミッション・ビジョン・バリューはもちろんですが、どれだけの時間をこの講義に投下できるか?いつ集まれるか?などチーム運営の面についても最初に明確にしておいた方が良いと思います。
- かなりコミットする必要があると思います。早めにFWなど一次情報の取得を試みていくのが良いかと思います。
- 私は自分の研究の事業化を考える中で自分のやりたいことを見つけることができたので、ぜひ主体的に自分の研究の事業化を考えてみてください。
- とりあえず行動する
- 講義への関わり方次第で,得られるものに雲泥の差がある.まずは聴講ではなく履修者として実際にピッチすることで,自分のアイデアをアウトプットしてみることが第一ステップ.ピッチまでの準備やFBに基づくピッチ後の行動で,事業案の検討やその元となる研究に取り組む姿勢も変化するところまでが第二ステップ.さらに,ピッチした事業案を自分事と捉えて本気で事業化を目指すところまでが第三ステップというイメージ.自分の場合は,第二ステップの途中で,もう少しちゃんと研究に向き合いたいというマインドになり,少し引き気味になったのがもったいなかったと思う.
- チームとか考えずに,まずは「あなたが何を解決したい」から入るといいと思います.
- チーミングが大切だと思うが、その前に漠然と自分のコア技術が何でどの分野に生かせそうかを予めリサーチしておくことが必要だと思う。
- 関連するビジネス経験の有無がアイデアの具体化に大変影響するため、それがなければサークルや大学の先輩などを早めにコミュニケーションして学ぶと検討が捗るのではと思います。一方で、忙しい社会人の皆様に単なるヒアリングでご迷惑をおかけしないよう、ギブアンドテイクの精神で準備することが必要かと思われます。 実態として学生の研究テーマは担当教官のものである場合が多いため、将来的に会社設立する際には技術シーズのライセンスが問題となるため、演習の範囲外かもしれないが有用技術シーズの場合には担当教官への丁寧なコミュニケーションが必要かもしれません。