2023年度
ディープテック起業家への招待(学部1-2年生向け・Sセメスター)
講義全体を通して
- ここで得た自律性はこれからの学生生活において能動的に周囲に働きかけ自分の道を切り開く上で大きな糧になったと感じている。「ディープテック起業家への招待」ほど受講生の背中を押し成長を促す授業は大学内で他にないのではないか、と思わせる凄みがこの授業にはあった。(理Ⅱ 2年)
- フィールドワークはしてみるものだなと心から思った。やはり現場で働いている人しか知らない情報があり、そうしたネットにもないような一次情報を入手できる利点があることを思い知った。もう少し早い時期からFWを行なっていたら、もっと良い結果を出せたのではないかと後悔している。(理Ⅰ 2年)
- 講義で成長した部分も大きいが、周りの受講生が非常に刺激的だったことで成長した部分もあると考えられる。特に、もうすでに何かの形にして、お金になることをしている人がいたり、法人を今まさに立てようとしている人がいたりして、自分も何か成し遂げなくてはならないという気持ちが強くなった。特に、この講義のコミュニティではそういう人たちが特別ではない点で、自分の中での焦りが大きくなっていった。これは今でも続いている。(理Ⅰ 2年)
- 私からあえて言うなら、これまでパッとしない人生を送ってきた人、大学生活が思ったより淡白だったことを嘆いている人におすすめします。これほど刺激的で向上心に溢れる場所は、駒場にはありません。(理Ⅰ 1年)
- 中間発表や最終発表で一番学びになったのは、他人のレポートと選出されているレポートの比較、また発表へのFBでした。研究している技術の社会的重要度だけではなく、それらの見せ方や解像度もかなり重要であること、また周りの優秀な方の明確な現在地がわかりました。またFBの方では、伝え方によってFBの質も大きく違うこと、また自分と他人のひとつのプレゼンに対しての感じ方の違いも明確にわかったのはよかったと思います。(理Ⅱ 1年)
- この授業を通して様々なことを学んだ。(中略)様々な研究室を見る機会があった。エネルギー、センシング、BMI、ML、様々な技術に向き合っているひとたちを見て、心の底から「生き生きしていていいな」と感じた。先を見据えながらも、研究してみたい、そのためにも自分が興味を持てる分野の探索にいい加減踏み切らなくてはならないと感じている。この危機感はこの授業で得られたものだと思う。(中略)今後研究に道をようやく歩み始めるわけだが、研究は思っていた以上に人とのつながりが大切であるように感じた。勝手な偏見として、夜遅くまで一人で実験を繰り返す研究者のイメージがあった。これも間違っているわけではないと思うが、一人ではうまくいかないのは研究も同じであるように感じる。今までなかった研究方面の人的リソースを獲得し、自分の今後をどう歩んだらいいのか、考えながら着実に行動していきたい。(理Ⅱ 1年)
- ディープテックだからといって技術があればビジネスとして成り立つわけではないということが理解できました。実際にさまざまな企業の例を見ることで、ちゃんとマーケットを押さえていないと意味がないと理解できました。そして、様々なことに積極的に関わっていく重要性が分かりました。FW等で自分の身の丈に合わないと思っても行くと何か新しい知見や機会が得られると分かりました。(理Ⅰ 2年)
- 夢を具体的なアイデアに落とし込むことを学んだ。今までは抽象的な夢を語り、それを実現できるのかはっきりしないプロジェクトを提案することが多かったが、今回ディープテック起業家への招待を受講したことで、Big Picture を具体的な技術で実現していく過程を経験することができ、何をいつまでにどのように変えるのかを考える力がついた。(理Ⅱ 1年)
- まずは起業して自分でビジネスを始めるという選択肢がそもそも存在するということを認識し、それに必要な素質や準備、投資家は何を期待しているのかなどを知ることができた点が成長であると感じています。 そして、授業を通じてどこにどうアプローチしていけばよいのか考える力をつけることができたのが自身の成長でした。(理Ⅰ 2年)
- ビジネス面でどの顧客のどの課題をどのように解決するかなど、基本として絶対に忘れてはいけないことを学べたのがよかった。(文Ⅲ 2年)
- ただ技術を知るだけではなく,それを応用してみよう,既存の問題解決に応用しようという考え方を恒常的に行うようになった(理Ⅲ 2年)
- 最初は自分の興味ある分野か分からず右往左往していましたが、他の人から刺激を受けると共に自分のやりたい事を見つけることができました。自分の奥底に静まっていたけれどなかなか手を出せなかった部分だったので、この授業を通してそれらを深掘りする事ができて本当に良かったと思っています。また、普段フィールドワークに行かない、もしくは行けないような方々にも授業の肩書きを使ってお話を聞けたのがこの授業の最大のハイライトだと思っています。(お茶の水女子大 4年)
- 本講座の特徴は、2050年の理想の未来を実現するために、自分がどんなスタートアップ企業を立ててどんな事業展開を起こしていくのかをアウトプットまで持っていく点です。ここまで具体的に社会実装まで真剣に考える講座は少ないと思います。しかし学部生にとっては負担が大きい内容だからこそ、普通に大学生活を送るだけでは得られない成長があります。(中略)名だたる講師陣、高校時代から実績を残してきた同級生たち、その場にいる人々の思考レベルの高さと未来を本気で志向する野心にはかないませんでした。それでも自分の存在を知ってもらいたいと思い、自分の興味のあることを少しずつ情報発信するなど、自分にできる精一杯の行動を起こしました。すると周りの方がアドバイスやイベントの紹介など、積極的に声をかけてくださるようになり、コミュニティの輪に入れた気がして嬉しかったことを今でも覚えています。(理Ⅰ 1年)
- 授業を振り返って、とにかく一番感じたのはこの講座にかかっているリソースと期待の大きさでした。毎回の授業が面白く刺激でもちろん授業としてレポートを書くうえでとても参考になるのですがそれ以上に今後の自分の人生に役立つようなことをたくさん教えていただきました。(中略) 授業内ではフィールドワークにも参加させていただいたり、授業後に先生とお話しさせていただいたつながりで研究の現場を見せていただいたりと今まで遠かった大学の研究室との距離がとても縮まったように思いました。(中略)最後に、毎回の授業が終わってから拍手が自然と湧き起こるような授業は初めて経験しました。(理Ⅰ 1年)
- この講義を通じて、素晴らしい多様なロールモデルに触れることができたのがよかった。ロールモデルが存在していることは大切で、僕の高校の先輩には東大生がいたから東大を具体的に目指せたし、逆に理系として海外大に進学した先輩をほとんど知らない中で海外大進学後の将来設計は難しかった。僕の中での1番のロールモデルはイーロンマスクだがぶっ飛びすぎていて参考にならないことも多い。授業で講演された方のほとんどは、元々は日本の大学の学部生であるため、自分の人生設計と比較しやすかった。(理Ⅰ 2年)
- 当初、僕はアカデミア(主に物理)に興味があり、将来のキャリアとしては、ドクター取って、ポスドクして、最後は教授になって、という一般的な研究職を考えていたが、今回、東京大学が全面に起業を押し出していることを知っていたので、この講義をなんとなく受けてみることにした。講義が始まると、いろんな人のお話を聞くことができ、その人たちがなぜそのプレイヤーと関わっているのか、どういう理念を持って事業をなさっているのか、を知る機会を得れた。(中略)講義をもっとすすめていくと、もちろん学部2年生の自分はなんの技術も持ってなくて、結局他人の技術を調べてその技術がどのように応用されそうか、を考えるだけの所謂「調べ学習」のようなものに思えてきて葛藤した。しかし、運営の方を含め、色んな人と話して、結局、今は自分の技術ではないけど、自分が技術を持ったときに見える「景色」を考えられるところに価値があるという結論に一旦達した。特に、技術に加えて、「誰が・何に価値を感じて・いくら払うのか・どうして、競合ではなく、それが選ばれるのか、いくら儲かるのか」を考えるところではそう感じた。この先、自分がどんな技術を身につけるのかはわからないが、この講義を受けていたのと、受けていないのでは大分違ってくるように思える。具体的には、今まで基礎研究がどう社会に役立っているのかという見方しかできていなかったが、「誰の・何の課題を・どうやって解決するのか」に応えるにはどのような技術が必要かという見方ができるようになった。だが同時に、結局、紙にひたすら計算したり、実験したりという基礎研究がこういうイノベーションの基礎になっているということも確認できた。(理Ⅰ 2年)
本講義を通じた成長
- 自分のやりたいことを進振りより先のことも見据えてしっかり考えるきっかけになった。また、これまでほとんど持っていなかったビジネスの視点を持つことに繋がり、社会全体の動きについて解像度がかなり上がった。(理Ⅱ 2年)
- (本授業を通じて成長を感じた点は)人に助けてもらいながら課題を解決していくことだ。今までは、レポート作成時は分からないことがあっても一人で解決することが多かったし、グループワークでも本やインターネットの情報に頼ることが多かった。しかし、ディープテック講座ではフィールドワークを通じて、その分野の最先端の人に話を聞ける機会が提供されている。また、豊富な知識を持ったBTがサポートしてくれる。ひとりで行動する何百倍ものインプット、アウトプットができた。(お茶の水女子大 3年)
- 起業に対する解像度の向上、行動力において成長を感じました。 解像度については、授業で登壇されるCEOやVCなどの方々のお話を聞くことで、複数の観点から起業を見つめたことに起因していると感じています。 行動力はFWの参加を通して培われました。以前は自ら大学の教授や企業のCEOに連絡を取り直接話を伺うなんてことは怖くてできませんでした。しかし、やらざるを得ない状況に追い込まれ、そこから実際に行動してみると大したことではないことに気が付きました。それ以外にも、登壇された方々に自ら話を伺うなど主体的に行動することで、授業を受ける以前よりも行動力を向上させることができたと感じています。(工学部 3年)
- まず、一番大きいのは自分の事業案であったり、一つ一つの取り組みから得られるものの解像度を上げる訓練をできたこと。起業の基本的な部分だけでなく、生の体験談や思想に触れることを通じて、自分ごととしてシミュレート出来た。 また、この講義を通じて、多種多様な方にヒアリングを行っていき、かつ学んだことを自身の事業案に落とし込むサイクルを回せるようになったことが一つの糧だと思う。(理Ⅲ 2年)
- 事業を考える際に、それがどの程度世の中にインパクトを与えるのかという視点を持って考えられるようになったこと。ただ、自らにとっておもしろいものを出すのではなく、顧客がどの程度いて、どのような需要があるのかを具体的に考えることができるようになった。(理Ⅰ 1年)
来期以降の受講生に向けたアドバイス
- とりあえず毎回授業に出て、人と話すことで、最初はしんどいかもしれないけれど、自分なりの強みとか、取り組み方がだんだんわかってくると思います!(理Ⅱ 2年)
- 本授業は行動したもん勝ちだと思います。 行動することは、事業案の洗練に寄与するだけではなく、自分自身の経験に大きな影響を与えますし、FWなどを通して様々な分野の人とのつながりが生まれます。中間発表、最終発表に選ばれて発表することを目的とするのも悪くはないと思います。ただ、僕はそれよりも、自身の関心興味に従って際限なく事業案を磨いていき、それを通じて多様な経験をすることを意識したほうが、後悔なくこの授業を楽しめると思います!(工学部 3年)
- まず熱意がある人は絶対に受講すべき授業だと思います。また熱意に自信がない人も、苦しい時間があるかもしれませんが最終的には確実に受講して良かったと感じることができる授業だと思います。ぜひ自由に学んでください。(理Ⅰ 1年)
- 難しいとは思いますけど、自分のBig Pictureが決まるのが早ければ早いほどチャンスは多いと思います。自分のBig Pictureを早く決めるのをアドバイスします。(理Ⅰ 1年)
- 迷ったらBTに頼ること。しょうもないことでも構わない。BTや運営の人たちはかなりの知見の広さを持っていて、優しく受け入れてくれるので、相談するにはこれ以上ない人たちばかりだから、モチベも上がるし次の行動もわかりやすくなる。(理Ⅰ 1年)
- 各講義の前には、事前にリサーチをしておくべきです。その日の登壇者の方の経歴や、理念、その方が携わる業界の基礎知識など、デスクトップリサーチをしておくだけでその日の話の吸収率が大幅アップします。そして、そのリサーチをもとにその日の講義での目的を決めておくのが有効です。その登壇者の方に自分を覚えてもらう、自分の立てた仮説を検証する、何でもいいので目的を立てておきましょう。時間を有効に使えます。(理Ⅰ 2年)
- お茶大生へのメッセージを書きます。まず、「自分には講座を受講する能力がない」と思わないでください。東大の方のプロフィールを見ると、みなさん素晴らしい経歴を持っていて別世界のように思うかもしれません(私はそうでした)。けれど、話してみれば同じ大学生ですし、レポートに四苦八苦していたのはお茶大生も東大生も一緒でした。次に、積極的に人に頼ってください。担当のBTの方だけでなく、ほかのBTの方、運営の方、いろいろな方に今考えていることを相談してみると、考えが広がるし、アイディアの精度が上がります。自分から話しかけるのが怖い、という方は授業後にコマドに行ってみることを強くお勧めします。最後に、学生という身分を存分に活用して積極的にフィールドワークに行ってください。現場を知り、専門の方にお話しを伺うことで事業案が深まっていきます。 ふだん社会課題について人一倍考えて、行動しているお茶大の皆さんにとって、この講座を受けることは大きな財産になると思います。ぜひ、少しでもこの講座に魅力を感じているなら受講してください。(お茶の水女子大 3年)